Redmineでのプロジェクト運用Tips

はじめに

自分がRedmineを使い始めたのは結構古く、2008年1月ぐらいからです。
それから今までの間結構色々な案件で使い続けてみました。
その間に学んだ「心がければ簡単だけど特に重要に思ったこと」をここにまとめてみようと思います。

初めてRedmineを使う人にお願いすること:とにかく担当者だけは設定してくれ

初めてRedmineを使用するお客さんやメンバーに自分が言っているのが
「とにかく担当者だけは適切に設定してくれ」です。

よくあるパターンが、

  • チケット発行時に仕事を依頼する人ではなく自分を担当にしてしまう
  • チケットへの返信時に担当者を返信相手に変更しない

というものです。

どうやらExcelなどで懸案管理を行っていた場合、あまり担当者にフォーカスが当たらないことが多いのか
担当者設定を行わない人が多いように見受けられました。
また、トラッカーや重要度といった項目は後から設定すれば事無きを得ることが殆どなのですが、
担当者項目だけは「チケットが埋もれて後半フェーズで発覚」という影響が大きくなるケースが多かったです。

担当者不在のチケットを無くす:担当者「${社名}未担当」の追加

自社サービス開発等では余り無いのですが、2社、3社が絡んだSIプロジェクトの懸案管理を行うと、
「A社がボールを持っているが担当は未定」という状態を表す担当者があると便利です。
これを設定していなかった時代は以下のような弊害がありました。

  • 担当者:空欄 → どの会社がボールを持っているか曖昧になり放置される
  • 担当者:プロマネやリーダー → 不在の場合にチケットが埋もれがち。※半日ぐらい着手が遅れていく

自分のケースでは「手が余ったら未担当のチケットで優先度の高い or 期限日が近い奴から消化してって」という運用にして
以前より上手くタスク消化が回るようになったと思います。

テンパったときの重要項目:担当者、優先度、期日、開始日

上手くいっている時はチケット運用が回っていたとしても、
プロジェクトがテンパった場合はパニックになりチケットが形骸化したケースが有りました。
こういうパニックの際の拠り所として重要だと思った項目を以下に上げます。

※「炎上する前に対処するのがプロジェクトマネジメント」と言われると返す言葉は無いですが、
  このようなプロジェクトでどう立ち回るかは有用な事例と思い筆を取りました。

担当者

なにより責任の所在をはっきりさせることが大切。
また担当者の責任感から「俺がやったほうが速いから担当者は俺にしてます」みたいなチケットが発生するので
そういったものは問答無用で前述の「未担当」チケットにします。

優先度

全てタスクやバグをこなそうとするのではなくトリアージ*1戦略が重要です。
その絶対指標として優先度を必ず意識して設定するようにします。
また、優先度設定は複数人が関わると混乱のもとのため、一人の人間がある程度強権的に設定するのがいいと思います。

期日

重要度の高いものから期日を決めて行きます。

  • 優先度が高いチケットについて一人の人間がざっくり決める。
  • 優先度が低いものは無理に期日を設定しない(トリアージの一貫)
  • 担当する際に期日を守れなそうなチケットは期日を「自分で考えて」再設定する
  • 担当したチケットの期日は必ず守る。
開始日

開始日は疎かになりがちなのですが「今やらなくてもいいことは何か」ということをはっきりさせるために必ず入れるようにします。
優先度が普通〜低いチケットに、着手可能になりそうな時期を入れていきます。
これについても複数人が関わると混乱のもとのため、一人の人間がある程度強権的に設定するのがいいと思います。

おわりに

いろいろな案件に関わっていくうちに「狼人間を撃つ銀の弾丸は無い」の言葉通り、プロジェクトを飛躍的に上手く回す魔法の手法は無いということを実感しています。
しかしRedmineは確かに銀の弾丸では無いですが、上手く使うことでプロジェクト運営の難易度を緩和してくれるということもまた実感としてあります。
ご参考になれば幸いです。